レ シルフィード 

レ・シルフィードはフレデリック・ショパンのピアノ曲をアレクサンドル・グラズノフがオーケストラ用に編曲した「ショピニアーナ」という作品に、ミハエル・フォーキンが演出、振り付けした1幕物のバレエ作品です。ロシアではこのバレエ作品も「ショピニアーナ」と呼ばれ、親しまれています。これといったストーリーはなく、一人の詩人が森の中で妖精たちに出会い、戯れ踊りあかす・・というものです。

グラズノフが「ショピにアーナ」として発表したものは、①ポロネーズ第3番作品40-1   ②ノクターン第4番作品15-1   ③マズルカ第32番作品50-3   ④タランテラ作品43  の4曲でした。振付師フォーキンは、グラズノフに依頼してワルツ第7番作品64-2をオーケストラ用に編曲してもらい、3番のマズルカと4番のタランテラの間に挿入し、全5曲をバレエ「ショピニアーナ」として1907年2月10日サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場で上演されました。

フォーキンは、この時、アンナ・パブロワの踊った空気のような透明感のある踊りに魅せられ翌年の1908年3月8日、同劇場で「ショピニアーナ」の改訂版を「ロマンティックな夢」と題して上演します。この作品に使った音楽は、前年のものとは大幅に変更されていました。グラズノフの編曲した「ショピニアーナ」からはポロネーズとワルツだけを使用、あとはショパンの他のピアノ曲を指揮者のモーリスケーレル他にオーケストレーションさせたものに差し替えられたのです。そして初演当初の民族舞踊や世俗的な踊りは除かれ、全編がパブロワの踊ったワルツのようなロマンティックな雰囲気のものとなり、これが現在の「レ・シルフィード」の原型になりました。この時主演したのは、パブロワ、タマラ・カルサヴィナ、オリガ・ブラジェンスカ、ワツラフ・ニジンスキーなど錚々たるメンバーでした。その後この「ロマンティックな夢」は「ショパンの音楽によるグラン・パ」というタイトルで同年4月にペテルブルグ舞踊学校の卒業公演で演じられた後、1909年2月の公演で「ショピニアーナ」として定着したそうです。

しかしながらこの作品がここまで有名になったのは、同年6月にバレエ-リュスのパリでの公演の成功によるものだといわれています。かつてマリータリョーニによって演じられた「ラ・シルフィード」が一人の妖精であるのに対し「レ・シルフィード」、つまり複数、たくさんの妖精と題して、これを前述のパブロワ、ニジンスキーなど有名なダンサーたちが演じ、圧倒的な成功を収めたのでした。このとき楽曲は、冒頭のポロネーズの代わりに6曲目のプレリュード第7番作品28-7を冒頭にも挿入するよう変更されることとなりました。現在欧米で上演される「レ・シルフィード」の音楽ははこれに基づいています。そして、バレエ・リュスの上演後、フォーキは『マズルカ」を第44番から第24番作品33-3に変更し、ロシアでは、これを使用しています。

このようないきさつで、オーケストレーションされた様々なショパンのピアノ曲によるバレエ「レ・シルフィード」が存在しているという訳です。

初演当時  1ポロネーズ第3番 作品40-1「軍隊」

2ノクターン第4番 作品15-1

3マズルカ第32番  作品50-3

4タランテラ    作品43

 

欧米で使用されているもの

1プレリュード第7番 作品28-7

2ノクターン 第10番 作品32-2

3ワルツ   第11番 作品70-1

4マズルカ  第23番 作品33-2

5マズルカ  第44番 作品67-3

6プレリュード第7番 作品28-7

7ワルツ   第7番  作品64-2

8ワルツ   第1番  作品18「華麗なる第円舞曲」

 

ロシアで使われているもの

1ポロネーズ  第3番 作品40-1 「軍隊」

2ノクターン  第10番 作品32-2

3ワルツ    第11番 作品70-1

4マズルカ   第24番 作品33-3

5マズルカ   第23番 作品33-2

6プレリュード 第7番 作品28-7

7ワルツ    第7番 作品64-2

8ワルツ    第1番 作品18「華麗なる第円舞曲」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です