サタネラ

サタネラは全1幕のバレエ作品で、フランスの作家ジャックカゾットの幻想的な物語「恋する悪魔」を元に、ポール・タリョー二が台本を書き振り付けをしたものです。音楽はルートヴィヒ・ヘンテルで、1852年4月28日ベルリン王立劇場で初演されました。優れた振付師として知られていたフィリッポ・タリョーニの息子で、プリマバレリーナのマリー・タリョーニの弟にあたるポールの作品で、ハイデルベルクの学生カールが女の悪魔サタネラに誘惑されて婚約者を捨ててしまうという物語を題材にしています。しかしこの作品は何度も改作が行われ、音楽も様々な作曲家の作品が組み込まれ、現在ではほとんど原型をとどめておらず、全1幕の型で上演されることはほとんどありません。しかしパドドゥだけ独立して演じられることは多く、その際にはパガニーニ作曲の「ヴェネチアの謝肉祭」をプーニが編曲したものが使われていて、振り付けもプーニよるものであることも多いようです。そうなると それはもはやサタネラではなく「ヴェネチアの謝肉祭」だということになります。
 では「ヴェネチアの謝肉祭」とはどんな作品なのでしょうか。1859年2月12日サンクトペテルブルク帝マリンスキー劇場で初演された、振付プティパ、音楽パガニーニ(編曲プーニ)によるグラン・パドドゥです。この作品の冒頭の音楽はヴェネチアで「おおママ、愛しのママ」の題名で親しまれているバルカロール風の俗謡です。この曲はフランスのフルートの名手ポール・ジュナンや、バイオリニストのパガニーニが華麗に編曲したことでさらに人々に受け入れられ有名になったようです。バレエでもこの曲を取り上げ、プーニが編曲を担当し、プティパの振り付けでグラン・パの形式で上演されたのがこの作品です。これは全編明るく楽しく太陽の国イタリアの気分がたっぷりです。振り付けもプティパらしく、アントレ・アダージョ・男女のヴァリエーション・コーダと続くグランパドドゥ形式で華麗なテクニックが随所に盛り込まれています。これがロシアの舞踊家によって伝えられ、今日では各地のバレエコンサートで演じられているということです。

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